こんにちは! 本日より始まる神谷会計ナゥッ!!では、気になる税制改正や、日頃起こりうる事例を紹介していきたいと思っています。
尚、第2回以降も不定期ながら発行していくつもりですので次回までにご意見、ご要望等がありましたら、お便りをお待ちしております。
今回は税制改正のなかでも一番変更点の多い役員給与について紹介していきます。
今回のテーマは 業務主宰役員給与の一部損金不算入
とてもわかりづらい題名ですが、簡単に言うと業務主宰役員とは代表取締役や社長のことで、この代表者に対する給与の内、給与所得控除の金額は法人の経費にならなくなります。
つまりこの改正の狙いは、個人で経営している人(個人事業主)と法人の代表者と税法上の立場を一緒にすることです。
わかりやすく例題をあげると次のとおりです。
個人事業主 法人にすると 法人
売 上 2,500万円 売 上 2,500万円
経 費 △ 1,000万円 経 費 △ 1,000万円
妻(専従者)給与 △ 300万円 妻(役員)給与 △
300万円
オーナーの所得 1,200万円 オーナー給与 △ 1,000万円
法人の所得 200万円
オーナー
給 与 1,000万円
給与所得控除 △ 220万円
オーナーの所得 780万円
このように今までは、個人事業主の所得が1,200万円に対して、法人にすると法人の所得200万円とオーナーの所得780万円を足して980万円になり、個人事業主よりも法人にしたほうが給与所得控除分220万円だけ課税ベースが少なくなっていました。これが今回の改正で平成18年4月
1日以後開始事業年度より以下のようになります。
法人 オーナー
売 上 2,500万円
給 与 1000万円
経 費 △
1,000万円 給与所得控除 △ 220万円
妻(役員)給与 △
300万円 オーナーの所得
780万円
オーナー給与 △
1,000万円
損金不算入 220万円
法人の所得 420万円
このようになり法人の所得とオーナーの所得を足すと1,200万円となり、個人事業主と課税ベースが同じになります。このケースで言いますと、従来よりも220万円に対しての税金分が増税になります。
この制度により中小企業の法人のほとんどが増税されることとなりました。但しすべての法人にこの制度が適用されるのではなく、特殊支配同族会社に該当し適用除外要件を満たさなかった法人にのみ適用されるので、その要項を下に並べておきますが、今回は詳しい説明は省かせていただきますのでご了承ください。
特殊支配同族会社の判定
以下の@とAの両方に該当するものになります
@
同族会社の業務主宰役員グループがその同族会社の発行済株式又は出資の総数又は総額の90%以上に相当する場合
A
同族会社の業務主宰役員及び常務に従事する業務主宰役員関連者の総数が常務に従事する役員の総数の半数を超える場合
適用除外
適用除外となされるのは、次の事業年度です。尚、基準所得金額とは前3年以内の業務主宰役員給与と法人の所得を足した金額の年平均である。
?特殊支配同族会社の基準所得金額が800万円以下である事業年度
?特殊支配同族会社の基準所得金額が800万円超3000万円以下である事業年度で、業務主宰役員給与額の割合が50%以下
?基準期間がない特殊支配同族会社の?又は?の基準に準ずる事業年度
以上のようになります。最後に判定チャートを付けておきますので、参考にしてください。ご意見、ご感想、ご質問等がありましたら、メール、電話、FAX等をお待ちしております。最後まで読んでいただきましてありがとうございます。また次回以降をご期待ください。
尚、今後この配信をご不要な方はご連絡ください。